エアマスター

ついに本日漫画喫茶で最新巻まで制覇。格闘漫画って昔から色々読んでるけどこのエアマスターは久々のヒットですな。(連載自体はかなり長くて、単に俺が最近読み始めただけ)

俺がこの手の漫画で燃える設定ってのが個性的で魅力的なキャラがいて(多ければ多いほどよし)それぞれにモチベーションが設定されていて、このキャラとあのキャラが戦ったらどうなっちゃうんだろうとか妄想させてくれて、実際に戦ったりする、というもの。具体的にいうとバキ辺りかな。逆に主人公の成長のみを追いかけていて主人公の対戦相手はさらなる成長への通過点に過ぎない…といった修羅の門みたいな漫画はあまり好きじゃない。

エアマスターはかなり完璧に近い。どんどん登場する敵キャラの殆どを使い捨てずいい具合でキャラ溜まってきたところでバトルロイヤル開始!(しかもキャラ全員濃い)舞台は町全体です。好きな相手と好きな場所でやり合って下さい。ってもう俺にはたまらない展開ですよコレ。当然同じように描かれたバキ死刑囚編も燃えたなぁ。シコルスキーがヘタレる辺りまでは。。。
バキ死刑囚編が闘技場戦士VS死刑囚と一応の二極化が図られていたのに対してエアマスターはランキングバトルという構図なので自分以外全てが敵。また初登場のキャラでもランキングは判っているため読者は大体の実力を判断することが可能。
キャラの強さの数値化なんてキン肉マンドラゴンボールのようだけどこのランキングは試合結果によって上下するだけで絶対ではない。3位には勝てないけど、2位には勝てるなんて相性もあるし。単なる試合結果のログとしての機能以上の意はなし。要は読み手の裏を掻き易いが設定的な嘘にはならないという実に良く出来たシステム。ドラゴンボールみたいにキレて戦闘値がハネ上がるなんて事もない。
ああ、次は誰と誰が戦うのかなぁ〜、え?ちょっと待て。お前じゃそいつは無理だって!うぉ、意外と善戦してるじゃんよ!……なんてただただ楽しい。
しかもエアマスターはバキと違って女もいっぱい出てくるぞ。あんま可愛くないけど。

そりゃ格闘漫画は他にもたくさんありますよ。でもはじめの一歩はもう木村VS間柴や青木のタイトル戦のような展開はあまり望めないし、タフは山の中でバトルロイヤルやってるけど、この漫画は新章入って間もないのに加えて、もともと使いきりの安いキャラばっかりなので山の中にいる面子がつまらな過ぎ。番長番付という形でランキングバトルを導入したCUFFSはネームが好みじゃないし。バキも死刑囚編を結局消化しきれず逃げるようにまたトーナメント戦だし。他なんかあったっけ?

個人的には序盤から主人公摩季のライバルとして登場して実は過去に普通の人間なら精神病院入りのとんでもなく辛い経験をしていながら、それを微塵も表に出さず愚直に主人公に挑み続ける崎山香織が好きだ。超カッコいい。ただの売り出し中のアイドルだったはずなのに今じゃ太極拳通背拳?で浸透勁(!)まで使いこなしてるし!
「ラッキーなんじゃねぇか?さすがアタシの人生だ、面白ェ。
これは「突然のおくりもの」だ。
忘れられるわけないのに、忘れようとしてたんだ。
忘れられるわけ…忘れられるわけないよなぁ、実際!!
あん時からアタシの右耳聞こえないもんなぁ!!!
なのに忘れようとしてたんだよ、ビビってよォ…
ビビってたんだよこのアタシが!!!
そんなのゆるせるかぁ!?そんなアタシをゆるせるかぁ!?
ゆるせねーよ!!!誰だと思ってんだ!!!!
アタシが”あの”崎山香織だぞ!!!!!」

あとルチャマスター。変なマスクの下にはルチャマスクで素顔不明、大人な意見が多いと思ったら39歳。超カッコいい。戦闘スタイルももちろんルチャリブレ。街中でルチャだからポテンシャル活かしきれず、最近負けグセついてるけど。
「貴様は修行が足らんだけだ!
日々の修行は後悔を淘汰してくれる
俺の言ってる意味がわかるか?
ある種の後悔はとりもどす事ができるんだ。
後悔をとりもどした時、それはとても強いものとなる」


アレコレだらだら書いてしまったけど一癖も二癖もある魅力的なキャラがいて、そいつらが上のようなセリフで絡み合っているだけで面白い漫画としての土台は揃っているのかも。単行本集めよう…。